銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
舞踏会は、俺達の婚約で大盛り上がり。

美しい彼女を見て、また公爵令嬢と知って王太子妃に相応しいと納得したのだろう。

父はセシルがレノックス公爵の娘と知り、心から祝福してくれた。

ほどんどの者はサーロンに父を処刑された彼女に同情。

もちろん、反感を持つ者もいた。

亡きレノックス公爵をライバル視していた貴族やサーロン派だった貴族は、セシルの登場をよく思わなかったようだ。

だが、彼女の王女のような優雅な立ち振る舞いを見て沈黙。

招待した令嬢達は、俺が呼んだ貴族の子弟とダンスを踊って喜んでいたし、概ね舞踏会は成功だったと言える。

サーロンが何か仕掛けてくるかと思ったが、何もなくてホッとした。

セシルにプロポーズするのは、全てが片付いてからにしようとも考えたが、彼女が俺から離れそうなので先手を打った。

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