銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
ふーん、これは……。

「感じてるんだ?」

ニヤニヤ顔で彼女をからかう。

「知らない!」

手で目を隠して拗ねるセシルに覆い被さり、その手をどけて真っ直ぐに彼女を見つめる。

「隠すな。お前の全部を知りたい」

大きく見開かれた彼女の瞳に俺が映る。

湧き上がる独占欲。

これは……俺の女だ。

誰にも譲らない。譲れない。

「……ジェイ」

彼女が俺の名を呼ぶと、理性の箍が外れた。

その甘い唇を奪い、細っそりとした綺麗な身体を掻き抱く。

「綺麗……だ」

彼女のすべすべした肌に唇を滑らせながら呟いて、身体を弄れば、互いの身体が熱くなって……。

髪を乱し、大きく仰け反って喘ぐ彼女の手首を押さえて、身体を重ねた。

「セシル」

彼女の名を呼び、強く抱き締める。

「うっ……」
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