銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
階段を一段登る度に足枷の鎖がガシャン、ガシャンと鳴る。

鎖が肌に擦れて痛いし、しばらく登っても上は全く見えない。

一体何段あるのか。

息を整えて休憩したら、シャーロットにチッと舌打ちされた。

「止まらないでよ!ぶつかるでしょう!」

彼女の機嫌は、かなり悪そう。

やはり、さっきのサーロンと私のやり取りをよく思っていないのだろうか?

何も言い返さず、また階段を登る。

二百までは階段を数えたが、段々足が痛くなってきていくつ登ったのかわからなくなった。

だが、ようやく階段を登りきると、そこにはふたつ牢が……。

「ほら、入れ!」

ネイサンに背中を押され、奥の牢に入る。

中には何もない。

ただ鉄格子の窓があるだけ。

「ここは、王太子が監禁されていた牢らしい。だが、今日からはお前の部屋だ。よかったな」
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