銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
今日のジェイは濃紺の布に金の刺繍をあしらった服を身に纏っていて、とても素敵だ。

両肩には彼の紋章である鷹の刺繍が施されていて、気高く勇敢な感じが引き立つ。

「もうすぐ式の時間だ。準備はいいか?」

ジェイが私を見て確認してきた。

でも、彼の姿に見惚れてしまい、すぐに返事が出来ない。

「セシル?」

ジェイが少し首を傾げながら、私の顔を覗き込んでくる。

「あっ、ごめんなさい。少しボーッとしちゃって」

「緊張でガチガチになってるかと思ったが、そうでもなさそうだな」

ジェイは値踏みするような目で私を見て、その顔を私の耳元に近づけると、魅惑的な声で囁いた。

「綺麗だ。式を止めてベッドに連れて行きたくなる」

彼の言葉にボッと火がついたように顔が熱くなる。

「もう、こんなところでからかわないで」


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