銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
私が住んでいるこの屋敷はレンガ造りの三階建て。私の部屋は三階の角部屋で通りに面している。
空には綺麗な月。
今宵は満月だ。
月の光が静かに下界を照らしている。
でも、私の心はざわめいた。
「お父様、早く帰って来て」
月を見上げ、手を組んで祈る。
すると、愛犬のウィングが私の足元にトコトコとやってきた。
茶色い毛並みのオスの大型犬で、私が生まれた時からずっと一緒に暮らしている大事な家族。私によく懐いていて、頭が良い。
何か感じたのか、ウーとウィングが唸る。
「ウィング?」
屈んでウィングの頭に触れようとしたら、バサッと物音がして突然何者かに背後から口を押さえられた。
一瞬にしてビクッと硬直する身体。
「静かに」
空には綺麗な月。
今宵は満月だ。
月の光が静かに下界を照らしている。
でも、私の心はざわめいた。
「お父様、早く帰って来て」
月を見上げ、手を組んで祈る。
すると、愛犬のウィングが私の足元にトコトコとやってきた。
茶色い毛並みのオスの大型犬で、私が生まれた時からずっと一緒に暮らしている大事な家族。私によく懐いていて、頭が良い。
何か感じたのか、ウーとウィングが唸る。
「ウィング?」
屈んでウィングの頭に触れようとしたら、バサッと物音がして突然何者かに背後から口を押さえられた。
一瞬にしてビクッと硬直する身体。
「静かに」