銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
ギリアンに「ちょっと手を貸せ」と助けを求めたが、こいつはそんな俺を嘲笑うかのように意地悪く目を光らせた。

「一緒にそのまま寝ればいいではありませんか?」

「良くない」

仏頂面で否定すれば、こいつは楽しげに提案する。

「何なら日替わりでここに令嬢を手配しましょうか?」

「……ギリアン、調子に乗るなよ。お前、この状況面白がってるだろ?」

憎らしげに見ると、こいつはニヤリとした。

「歓迎すべき事態だと思っていますよ。陛下が知ったらさぞお喜びに……‼︎」

ギリアンの言葉を強い口調で遮る。

「お前、あのお惚けダヌキに話したら、ただで済むとは思うなよ。お前の寝室に毎晩令嬢を俺が手配してやるからな」

そんな脅し文句を口にすれば、「ならば、早く結婚してお世継ぎを作って下さい」とこいつは断固とした口調で言う。

周囲から結婚を迫られると、益々嫌気が差すというものだ。
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