銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
5、悪魔のように美しく、危険な彼
「この部屋も豪華ね」
天井の綺麗なシャンデリアや天蓋付きのベッドをまじまじと眺め、ホーッと溜め息と共に呟く。
ここは私がしばらく滞在する部屋。
ジェイがどこの部屋も豪華みたいなことを言っていたけど、本当だった。
彼の部屋で着替えを済ませた私は、ゴードンという近衛兵長にクレアと共にこの部屋に案内された。
途中ここに集められた他の令嬢に会うかと思ったが、ひとりも会わず『他のご令嬢達はどちらに?』と赤毛の近衛兵長に質問した。
すると、ポリポリと頭をかきながら『それは別の棟……、いや……どこだったかな。宰相の担当だしな』と曖昧に答えた彼。
……何かおかしいと思った。
男爵令嬢の私だけがこの階にいるのは変だ。
きっとこれはジェイの指示に違いない。
だって、この部屋はジェイと同じ階にあって、彼の部屋からはそれほど離れていないのだ。
天井の綺麗なシャンデリアや天蓋付きのベッドをまじまじと眺め、ホーッと溜め息と共に呟く。
ここは私がしばらく滞在する部屋。
ジェイがどこの部屋も豪華みたいなことを言っていたけど、本当だった。
彼の部屋で着替えを済ませた私は、ゴードンという近衛兵長にクレアと共にこの部屋に案内された。
途中ここに集められた他の令嬢に会うかと思ったが、ひとりも会わず『他のご令嬢達はどちらに?』と赤毛の近衛兵長に質問した。
すると、ポリポリと頭をかきながら『それは別の棟……、いや……どこだったかな。宰相の担当だしな』と曖昧に答えた彼。
……何かおかしいと思った。
男爵令嬢の私だけがこの階にいるのは変だ。
きっとこれはジェイの指示に違いない。
だって、この部屋はジェイと同じ階にあって、彼の部屋からはそれほど離れていないのだ。