設定にもストーリーにも登場人物の心理にも、うっとり憧れるような要素はありません。
友人の結婚式で再会した元彼に復縁を迫られる(その1)。
友人の結婚式で再会した友人と、なんとなくデートに行く(その2)。
運命の恋とは縁遠い、圧倒的なリアリティー。
それなのに、このあたたかい読後感!
恋愛を知る前の私がこれを読んだら、もしかしたらがっかりしたかもしれません。
だけど今の私は、この物語に「夢や希望」を見ます。
実体の定かでない幻同然の王子さまを夢見るよりも、今となりにいる人の手を握りたくなる、そんなお話です。