オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
「はあ?当たり前じゃないですか!自分の彼氏が私より綺麗な人とイチャイチャしてなんとも思わない人はいません」

すると浩太郎さんが私をギュッっと抱きしめた。

「いいね〜俺のことで頭をいっぱいにさせて嫉妬してる顔……たまんないな」

「は、はあ?何言ってんですか?」

浩太郎さんの口角がさらに上げる。

「だってそれだけ俺のこと好きだってことだろ?こんな嬉しいことない」

確かにそうかもしれないけど私は面白くない。

「とにかく、いくら浩太郎さんがなんとも思ってなくても私は見たくないの!」

浩太郎さんは私の両頬に手を当てた。

「確かにそうだな。俺も遙が元彼の話をしてると面白くないしな」

え?

そんなこと思ってたの?

「え?でも智也のことはなんとも思っては––」

「ああ、わかってる。だけど俺だって遙の口から元彼の名前が出るだけでイラッとするぐらい俺も相当なやきもち妬きなんだよ」

「うそ」

そこまで私のことを好きだと思ったら嬉しくなって口元が緩んでしまった。

「わかっただろ?」

「え?」

「好きな人がやきもち妬いてくれるのってさ」

なんか浩太郎さんに一本取られたような気分だけど……

でもいっか〜。

だって浩太郎さんもヤキモチ妬いてくれてたんだもん。

だけどきっとこの先私はずっとやきもちを妬き続けるんだろうな。
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