オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
『え?』
再び両親の声が重なった。
なんで言っちゃうの?……だがもう止められる空気ではなかった。
「智くんが私を好きになったの。好きになった気持ちを隠してお姉ちゃんと付き合うのは自分が許せないからと智くんの方から別れを切り出したの。もちろん私は智くんがお姉ちゃんの彼氏だったことなんかつい1時間前まで知らなかったよ。知ってたら付き合ってなかった。だけどお姉ちゃんは何もかも知った上で私を応援してくれたの」
香奈の目から大粒の涙がこぼれ落ちた。
確かに香奈の言っていることは間違っていない。ある一つを除いては……
「香奈、違うよ」
「え?」
「きっと私は応援していなかったと思う。彼に出会うまではね」
私は浩太郎さんを見た。
「まさか香奈に一目惚れしたなんて理由で別れを切り出されるとは思いもしなかった。だから初めて聞いたときは悔しかった。知らない人ならまだしもなんで香奈なの?ってでもそんな時に現れたのが彼だったの。彼が私を変えてくれた。だから二人のことも許せたし応援できたのよ」
すると父が智也を呼んだ。
智也は今まで見たことがないほど緊張していた。
だがそれを少しでも和らげようと香奈が智也の手の上に自分の手を重ねた。
それが香奈の出した答えなんだと私はわかった。
再び両親の声が重なった。
なんで言っちゃうの?……だがもう止められる空気ではなかった。
「智くんが私を好きになったの。好きになった気持ちを隠してお姉ちゃんと付き合うのは自分が許せないからと智くんの方から別れを切り出したの。もちろん私は智くんがお姉ちゃんの彼氏だったことなんかつい1時間前まで知らなかったよ。知ってたら付き合ってなかった。だけどお姉ちゃんは何もかも知った上で私を応援してくれたの」
香奈の目から大粒の涙がこぼれ落ちた。
確かに香奈の言っていることは間違っていない。ある一つを除いては……
「香奈、違うよ」
「え?」
「きっと私は応援していなかったと思う。彼に出会うまではね」
私は浩太郎さんを見た。
「まさか香奈に一目惚れしたなんて理由で別れを切り出されるとは思いもしなかった。だから初めて聞いたときは悔しかった。知らない人ならまだしもなんで香奈なの?ってでもそんな時に現れたのが彼だったの。彼が私を変えてくれた。だから二人のことも許せたし応援できたのよ」
すると父が智也を呼んだ。
智也は今まで見たことがないほど緊張していた。
だがそれを少しでも和らげようと香奈が智也の手の上に自分の手を重ねた。
それが香奈の出した答えなんだと私はわかった。