オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい

どういうこと?

全く状況が把握できない私は立ち尽くしていた。

「遙……大丈夫?ちょっと待ってて確認してくるから」

里香子が詳しいことを他の広報の人に聞きに行った。

「遙!こっち来て」

里香子が私を呼んだ。

みんながテレビの前に集まっていた。

画面にはロサンゼルス空港の映像が映し出されていた。

空港で銃乱射事件があり、10数名が撃たれそのうち1名が死亡。

犯人は10代の青年でその場で取り押さえられたが、撃たれた10名の中に日本人がいたとのことだった。

その日本人の名前が「ヨシオカ コウタロウ」と言う名前だった。

死亡したのは日本人ではなかったものの、9名が重軽傷。

それ以外の情報は今の所入ってないとのことだった。

「遙……これはきっと何かの間違いよ。同姓同名って可能性だって」

里香子が私を励まそうとするが、テレビのアナウンスが頭に入らない。

だって明日帰ってくるって……帰ってきたらマンションで待っててって言ったじゃない。

頭が混乱していてどうしたらいいのか自分でもわからない。

そんな中広報室では問い合わせの電話が鳴り響き電話対応に追われていた。

「申し訳ございませんが、まだ確認が取れておりませんので確認が取れ次第詳細をご連絡しますので」

「いや、まだ本人と決まったわけではありません」

「ですから現在確認中で……」

みんなが電話対応に追われている中、課長が私を呼んだ。

「宮園、今すぐ秘書課へ行ってくれ」

「は、はい」

私は急いで秘書課へと向かった。
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