オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
そしてゆっくり浩太郎さんの顔が近ずいた。

唇が触れた。

久しぶりのキス。

触れては離れを繰り返した。

「ずっとこうしたかった」

唇が触れるか触れないかのギリギリのところで囁かれる甘い言葉に私の身体が熱くなる。

私も気持ちを伝えたい。

だけど浩太郎さんは私に話す間も与えてはくれなかった。

浩太郎さんの舌が私の中に入ってきた。

私の後頭部をしっかり支えて舌を絡ませる。

荒くなる私の息遣い。だけど離れたくない。

もっともっと浩太郎さんを感じたい。

私たちは会えなかった時間を取り戻すように何度も何度もキスをした。

「ごめん」

だがしばらくすると勢いよく唇が離れた。

何がごめんなの?私なんかいけないことでもしたの?

突き放された私は不安になった。

だが、浩太郎さんの頰は何だかほのかに赤くなっている。

すると手でガードするように私との距離をとった。

< 152 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop