オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
「大体ね~男なんてみーんな、身勝手で女の気持ちなんてこれっぽっちもわかろうとしないのよ~。何が嫌いじゃないけどそれ以上に好きになったよ。ふざけんじゃないわよ~~私は何も悪くないのに~~~」

いつの間にかため込んでいた心の声が口から暴走しだした。

勿論、目の前にいる男性には全く関係ない事を言っているのはわかっている。だけど止まらない。

私はすわった目で男性をじーっとみた。よく見るとかなりのイケメンだ。着ているものも仕立てのよさそうなスーツ。腕には高級腕時計

そしてほのかに香る女性受けの良い香水の香り。こういう男に限って女をとっかえひっかえしているに違いない。

きっとさっきの女性だってこの男にたぶらかされたに違いない。

「あんたさ~人より顔がよくて、いいもん身につけてるからって~調子に乗ってんじゃないわよ~。あんたみたいな男が日本をダメにするのよ~~。あんたみたいなのなんて言うか知ってる?ダメ男っていうのよ~~」

私は男に詰め寄った。

「ちょっと!遥。この人は――」

里香子が間に入ろうとした。だが男はさっと手をだし里香子の言葉を遮った。

そして鋭い目で私を見るとフッっと鼻で笑った。

「ダメ男ね~~悪くない名前だ。じゃあ~アンタはさしずめダメ女ってとこか?ハハハ」

男はケタケタと笑い出した。
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