オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
「嫌です」

「なんで？」

「あなたのせいで私が今どんな状況に立たされているか分かってますか？」

ほぼ？折れた形で私たちは正式に付き合う事となったのだが早々にハッピーエンド……とはいかない。

いや、いけないのだ。

まずは社内報問題だ。あの記事のせいで私は社内の女子全員を敵に回してしまった。

勿論これは全て目の前にいる副社長のせいだ。

噂は広まるばかりでなかなか収集がつかず、結果的には後藤課長が各階の掲示板に今回の副社長のインタビューに関する訂正およびお詫びを張り出す結果となってしまった。

そんな状態だというのに副社長は、これでオープンに出来るとはしゃいでいる。しまいには公表しようと言い出す始末。

「わかってるよ。だから全力で遥を守るためにも――」

「だったらしばらくはおとなしくしていてください」

「チッ。つまんねー女」

つまんない女で結構です。兎に角私は一日でも早く前のような平穏な日々を取り戻したい。

ただそれだけなのだ。

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