オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
「確かにそれは複雑だな」

「はい。でも教えてくれてありがとうございます。とりあえず様子見てみます」

さ~どうしようかな……香奈にどのタイミングで話せばいいかと考えていると、浩太郎さんが私の手を掴んで自分の方へと引き寄せた。

「浩太郎さん?」

「確認だが、元彼とのことは完全に吹っ切れたと受け取って良いんだな?」

さっきまでのやさしい浩太郎さんは消え、いつもの積極的な浩太郎さんに戻っていた。

これは絶対にこの先の関係を求めている男の目だ。

だけど香奈の事がクリアするまでは……

「待ってください」

「な、なんだ?」

「吹っ切れたと思います。ですが香奈の件が解決するまでその……恋人っぽいことは待っていただけないですか?」

凄く残念そうな顔が逆になんか可愛くて笑える。

「遥、そこ笑うとこじゃないからな。俺がここまで我慢してるってすごいことなんだぞ。いつもなら押し倒しキスをしてそれから––」

「わかってます。だけど中途半端は嫌なんです。この件が解決したら何をしてくれても構いませんだから……」

「わかったよ。その代わり全てが解決した時には抱きつくすから覚悟しろよ」


「はい」
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