オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
「遙はどうしたいの？二人を別れさせたいのかそれとも妹の幸せを願ってる？」

「そそりゃ〜願ってるわよ。妹だもん」

里香子は何か考えるように腕組みをしたがすぐに眉をピクッとあげた。

「だったら答えは簡単よ」

「え？」

「要は妹さんが遙の元彼……あーなんか言いにくいな〜。彼とうまくいってほしいんでしょ？だったら遙自身が動くしかないわよね」

いまいち言ってる意味がわからず首をかしげると、里香子はわざとらしいぐらいのため息を吐いた。

「知らないのは妹さんだけよね」

「うん」

「だったら妹さんの今彼が遙の元彼だってことを家族に全て打ち明けるのよ。２人の交際を認めてもらった上でもし妹さんが彼を紹介する機会があった時に一芝居うってもらうのよ」

「待って。整理すると、智也とは初対面ですって感じに振舞ってもらうってこと？」

「そういうこと」

ということは私と智也が付き合っていたことを全てなかった事にするってことね。

じゃあ香奈は私と智也の関係は知らないままってこと？

それが最善の解決方法なのかわからないけど果たしてうまくいくのだろうか……

そんな悶々とする私を里香子は見逃さなかった。

「もしかして躊躇してるでしょ」

「え？」

図星だった。
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