オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
「マ、マンションですか?」

私があまりに驚くので浩太郎さんはちらっと私を見る。

「そんなに驚くことか?」

「驚きますよ。だって……マンションなんて行ったことないし……」

やだ……私、めちゃくちゃ動揺してない?

信号が赤に変わり、車は停止した。

すると浩太郎さんは私の方を見てニヤリと笑った。

「安心しろ、遙が想像しているようなことはしない」

「ちょ、ちょっと待ってください。想像って?」

否定しながらも自分の顔が火照ってきた。

「そうだな〜例えばベッドに押し倒し身体中に俺の痕跡を残すとか?」

恥ずかしげもなくストレートな言い方に私は目を丸くした。

頰の火照りは治る気配がない。

「そ、そんな想像してません」

否定しながらも浩太郎さんの言ったことを想像してしまい、胸がうるさいぐらいにドキドキしだす。

「じゃあそういうことにしておくよ。でも安心しな。君と約束したように……押し倒したりしないから」

ここは安心するところだし、全てが解決するまで何もしないってお願いしたのは私なのに
ちょっとがっかりしている自分に気づいた。
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