オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
ほわいわはりまひた(はいわかりました)

返事をすると浩太郎さんの手がパッと離れた。

だがその代わりに今度は顔が近づいてきた。

ドキドキするし逃げ場はないし……これってこれってもしかして。

キ、キスされちゃうとか?

だが私の予想は大きく外れた。

「で?その撮影はいつだ」

「え?……再来週の月曜日です」

浩太郎さんは「……3日だな。わかった」というとスマホを取り出し何か操作していた。

だけど勝手にキスされるかと思って一人でドキドキしていた。

だが悩みはもう一つある。それは香奈と智也のことだ。

両親に話をすると決めたがどうやって切り出せばいいのか悩んでいる。

だって正直に話せば姉と妹どっちにも手を出したってことになり、印象としては最悪だ。

それに香奈が私たちの過去を知ったらどんな反応をするか……。

だが智也を擁護しているわけではないが智也は決して悪い人ではない。

真面目で優しくて結婚相手としては申し分ない。

要は私さえ許してしまえば問題はない。

あとは2人がどうやってうちの両親に認めてもらうかの問題だ。

「まだ浮かない顔をしてるが、他にも何かあるのか?」

付き合いは浅いのにこの人は私をよくわかってくれる。

私が頷くと、さあ話せ!と言わんばかりに聞く気満々だ。

なので浩太郎さんには正直に妹と元彼とのことを話した。
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