オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
「……なるほどね。で?遙は二人を結婚させたいという気持ちに変わりはないんだな?」

「はい」

「わかった。じゃあ……俺も協力するよ」

思いがけない申し出に驚くものの一体何をするつもりなのだろうか?

そもそも私が浩太郎さんと付き合っていることを両親は知らないし……

だけど、私のことを考えてくれている事には変わりないし、浩太郎さんと一緒だとなんとかなりそうな気持ちになるのだ。

「ありがとうございます」

「善は急げだ。俺の都合のいい日は……」

浩太郎さんは自分のスケジュールを確認する。

「悪い……早くて来週の土曜日の夜か日曜日だな。妹さんたちの都合もあるからまた連絡くれ」

「……はい」

私が返事をすると、浩太郎さんが立ち上がった。

私もそろそろ帰らないとと思い、立ち上がろうとしたがなぜか止められる。

「遙は座ってて」

浩太郎さんはキッチンに入っていった。

私の座っているところから浩太郎さんの姿は見えない。

「何か手伝いましょうか?」と声をかけたが、「いい、すぐできるからそこにいて」と言われてしまう。

仕方なく「……はい」と返事したものの、何もしないで待つのはなんだか心苦しい。

それにこれでも一応彼女だからそれらしいことしたいんだけど……と思いながらもぐっと堪えるしかなかった。
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