オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
そして待つこと10分。

「おーい遙。これ運ぶの手伝ってくれ」

やっと何か手伝えるとキッチンへ行くと浩太郎さんが黒いエプロンを身につけ、おしゃれなこれまたインスタ映えしそうなおしゃれなお皿を両手で持っていた。

な、なんなのこのかっこよさ。

男の人のエプロンん姿がこんなに破壊力があるなんて知らなかった。

いや、そうじゃない。

浩太郎さんのエプロン姿に破壊力があるんだ。

どうしようドキドキしちゃう。

「おい、何突っ立てるんだ。これをソファのテーブルに運んでくれ」

「は、はい」

お皿を受け取るテーブルに置く。

「悪いな、簡単に作れるものがこんなものしかなくて」

「そんな事……とても美味しそうです」

テーブルの上にはチーズの盛り合わせとパテのようなもの。

その横にはて軽くトーストしたバケットが添えられている。

浩太郎さんはビーフシチューを運んできた。

まさか浩太郎さんが一人で作ったとか?

どこまで完璧な人なの?

「おいどうした?」

「え?」

「嫌いなものとかあったか?」

私はブンブンと首を横に振る。
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