魂が叫んでいるのに
◼運命の試合

9月。3年生が引退し、新しいチームに変わり、新人戦が始まった。
我がバスケ部は男女とも順調に勝ち上がり、大きな体育館での決戦が行われる事になった。

ちなみに大会の1回戦、2回戦などはほとんど中学校の体育館が使われる。勝ち進むと大きな体育館で試合が出来る。ここに来れることが先ずはの目標になっていた。

そしてまず男子の試合を応援‥‥‥‥。
大きな体育館の観客席は2階にあり、下を眺める形で応援していた。
私は白い手すりに手をかけ、下のコートを見た。

その時‥‥‥‥


ドーン!ビリッビリッ!



衝撃が身体中に走った‼

(エッ?何??何なの??)
ある1人の男の子を見た時である。

(ウソッ!あの子誰?やだっ、カッコいい。)

完全に一目惚れだった。
彼はT中学の1年生。背が高くアンニュイな顔立ちだった。そして何よりバスケが上手かった。
私はドキドキしながらその試合をと、いうより彼を見ていた。

その試合中、ずっと感じていた不思議な感覚。言葉で言い表すとしたら

『運命を感じる・・・』

13才になったばかりのまだ子供の私がそう思ったのである。
この時の衝撃と不思議な感覚は今でもハッキリと覚えている。後にも先にもこの時にしか感じなかった。
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