ドリーム

「さぁ、取り引きをしようか。」
「え…？」
男は舞子にメニューらしきものを渡した。舞子はまだ今のことですら、理解出来ていなかった。
「…」
渡されたものを見て、舞子は言葉を失った。メニューリストには、［両目と両足と両腕・家族・恋人・友達］と書かれてあった。
「これは…？」
男は不気味な笑みを浮かべた。口が開いた。
「君が、今見た映像のような身になりたくなければ…、このメニューリストに書かれたものと交換する。」
「意味が…分からない。」
舞子の声は震えていた。男はその声を聞いて、満足そうにした。
「君がもし、両目・両足・両腕を選んだとしよう。そうすると、君の両目・両足・両腕は失われることになる。もちろん、傷口はそのまま。切ったあとが丸見えということになる。
つまり、君は歩く、手を動かす、視力を失う。」
舞子の体が震えている。
「目は…目は…？」
「えぐりとる。傷口はそのままだ。」
「家族・恋人・友達は？」
「選んだ人がモニターと、同じ目に合う。」
男は箱の中から何かを取り出した。それを持って、舞子に近づいた。