ドリーム
男の手には赤いペンと、ビデオテープ、ビデオデッキが持たれていた。
「赤いペンで君が選んだものを、丸で囲んでくれ。ビデオテープ、ビデオデッキはさっきの映像がある。それをよく見て、決めるんだ。」
「な…何であたしが?」
「君は、今まで何をしてきた?」
男の目は真剣だった。舞子はその目を見て、びくっとした。
「君はこれくらいのことをされてもいいことをしてきた。限度を越したいじめ、万引き、家族を困らし友達までを自分の手下にした。君には、今までの仕返しと言っても良いだろう。」
男は笑った。舞子は泣き出した。自分のしたことに今、大後悔をしているのだろう。
「もう…しません。」
「無駄だ。もう、引き返すことは出来ない。」
「お願いっ!お願いだからぁ!」
暴れる舞子を冷たい目で見て、言った。
「もう…決まったことだ。」
「家族を選ぶとどうなるの?」
「家族みんなが同じ目に合う。」
「恋人は?」
「君の最愛の勇斗くんが、同じ目に合うだろう。」
「友達…」
「同じだ。」
舞子は絶望的な顔をした。一気に老けた。
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