高校生の私と猫。
道場から少し離れた木の下で、
猫はピタリと止まった。


そして土を堀りだした。


いつもと違う木。

なんでこの木なのかしら?


そんなことを考えながら、私は猫が土を掘る様子をぼーっと眺めていた。




しばらくして、
猫は掘るのを止めてちょこんと座った。

猫の掘った土を覗いてみると、


「あ!!」


そこには百円玉が輝いていた。

「すごい!100円だ!すごいすごい!!」


猫はいつものように、得意気に顔を上げた。
私は両手で猫の頭を撫でた。


「すごいね!いつもありがとう!」


でもね…

私はもう、決めていた。
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