高校生の私と猫。

お願い

部活の友達、M美が最近スランプだ。
弓道が上手くいかない。体調も崩しがち。

部活や帰り道で話をしていても、
いつも暗い顔をしていた。



M美は弓道が上手い。1年生からレギュラーのAチーム。私は補欠かBチーム。

このまま不調が続くと、次の試合M美はレギュラー落ちをしそうだった。
そうなれば私にも、レギュラーのチャンスがあるかもしれない


でも…




チカッチカ

――暗い顔をして、何かあった?

「電灯のお兄さん…」

チカッ

――どうしたの?

「今まで私、勉強のことや部活のこと、お兄さんに沢山相談してきたよね」

チカ

――うん。


「お兄さんに話すと、そのあといつも上手くいくの。勉強も、部活も。お兄さんにパワーを貰ったみたいに」

チカチカ

――そう言われると、嬉しいな。


「いつも、私自身のお願いをしてた。私が助けて貰って、私がハッピーになってた…」


「でも、今日は違うの。私じゃなくて、M美ちゃんを助けて欲しいの」


チカッ

――M美ちゃん?

「私の、友達なの。今、M美ちゃんが苦しんでいるの。お願い、電灯のお兄さん。私は今まで沢山助けてもらったから。私はいいから、M美ちゃんを助けて!!!」


私はお祈りするように手を合わせ、ぎゅっと目を閉じた。
< 37 / 74 >

この作品をシェア

pagetop