高校生の私と猫。
「そうだったんだ…」

『タマのこと話してなかったっけ?』

「初めて聞いた。でも、私はタマを知らないし、ぶつかってきた子がタマかどうかは…」


『ううん、タマだよ!だって、痛かったんでしょ?』

「うん、かなり。ドンッ!ときて驚いたもん」

N子とお母さんは、顔を見合わせてフフッと笑った。


『タマはね、すごく体が大きかったの!TVを見てると、構って〜って、よくぶつかってきて』

『痛かったのよね〜懐かしい…』



お母さんは、私の目を見てたずねた。

『ねぇ、タマは幸せだったかな?聞けない?』

「ごめんなさい、私、話したりはできなくて。わからないです。

・・・でも、

嫌なら来ないと思います。

幸せだったと、思います」





お母さんは泣いていた。

『はなちゃんのおかげで、タマが家に来てくれたことがわかったわ。ありがとう。タマ、来てくれてありがとう。。』


N子の目にも、涙が溢れていた。

『お母さんの願いを、タマは聞いてくれたんだね。私は幸せだったよ、って』









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