涙のない少年
『あいつが……これ持ってけって。
今日は私がご飯係だから…って。』
そう言うと、その男の人はサッとコンビニの袋を差し出した。
この人は……
あの子の彼氏か……
そう思った瞬間
ボクの胸は激しく痛んだ
ボクは静かに袋を受け取った
手が…自分の手がかすかに震えているのがわかった
『あいつ…一昨日も飯当番だったんだよな?
すげー心配してたよ。
でもあの日はあいつ、出かけられる状態じゃなかったから……』
『あ…そうですか……』
ボクは、まるでナイフでえぐられているような胸の痛みをこらえて彼に言った
『これからはもう…ボク1人でやるんで……
あの子にはもう来なくていいよって……伝えてください。』