涙のない少年
スーツ姿の彼はボクを見て
少しため息混じりに
ふーっと息を吐いて
くるりと向きを変え、公園の入り口の方へ歩き始めた
ボクもひとつため息をついて
手渡されたコンビニの袋の中を見た
中にはキャットフードと水が入っていた
なんだかボクは
突然独りぼっちにされたような
とてつもない寂しさに襲われた
高校を卒業してからは
ずっと1人だったじゃないか
1人には慣れたはずなのに
どうしてこんなにも寂しいんだ……