嘘つきな君
きっと、彼の半分は私なんかじゃなかった。
ここで泣いてる私がいるのが、なによりの証拠。
捨てられた私が彼の『半分』であるはずがない。
恋愛ごっこの相手が、半分であるわけない。
都合のいい様に考えた自分が馬鹿みたい。
この期に及んで、未来に希望を描くなんて。
もう、この手の平には何も残っていないのに。
どこまで、私はお気楽なんだろう。
彼も同じ気持ちでいてくれたらなんて。
涙を流してくれていたらなんて。
そんな、都合のいい事、本気で考えた。
「やっぱり、バカだね私」
ポロリと流れた一筋の涙を見て、仁美が苦しそうに瞳を歪めた。
始めから、私と彼の恋を反対してたね。
きっと、こうなる事を仁美は気づいていたんだね。
「あんな酷い事言われたのに、まだ好きだなんて。馬鹿だよね」
「――」
「この気持ちを知ってほしいだなんて……馬鹿だよね」
例え、その気持ちが嘘だったとしても、私はあなたが好き。
騙されていてもいいから、側にいたい。
だけど、もう私には彼の側にいられる権利はない。
この気持ちも、伝えていいのかさえ分からない。
捨てられた私は、もう用無しだから――。
「彼は今、誰を想っているのかな。何を、思っているのかな」
その思いの端にでもいいから、私はいるかな。
過ごした日々が、まだ残っているかな。
だけど、あなたと私の間には大きな壁が出来てしまった。
乗り越える事のできない、大きな壁が。
もう、その向こう側に私は行けない。
「もう、お終いか……」
ねぇ。
あなたは今、何を思うの。
誰を想うの――。
ここで泣いてる私がいるのが、なによりの証拠。
捨てられた私が彼の『半分』であるはずがない。
恋愛ごっこの相手が、半分であるわけない。
都合のいい様に考えた自分が馬鹿みたい。
この期に及んで、未来に希望を描くなんて。
もう、この手の平には何も残っていないのに。
どこまで、私はお気楽なんだろう。
彼も同じ気持ちでいてくれたらなんて。
涙を流してくれていたらなんて。
そんな、都合のいい事、本気で考えた。
「やっぱり、バカだね私」
ポロリと流れた一筋の涙を見て、仁美が苦しそうに瞳を歪めた。
始めから、私と彼の恋を反対してたね。
きっと、こうなる事を仁美は気づいていたんだね。
「あんな酷い事言われたのに、まだ好きだなんて。馬鹿だよね」
「――」
「この気持ちを知ってほしいだなんて……馬鹿だよね」
例え、その気持ちが嘘だったとしても、私はあなたが好き。
騙されていてもいいから、側にいたい。
だけど、もう私には彼の側にいられる権利はない。
この気持ちも、伝えていいのかさえ分からない。
捨てられた私は、もう用無しだから――。
「彼は今、誰を想っているのかな。何を、思っているのかな」
その思いの端にでもいいから、私はいるかな。
過ごした日々が、まだ残っているかな。
だけど、あなたと私の間には大きな壁が出来てしまった。
乗り越える事のできない、大きな壁が。
もう、その向こう側に私は行けない。
「もう、お終いか……」
ねぇ。
あなたは今、何を思うの。
誰を想うの――。