嘘つきな君

――私達の首が繋がったと分かったあの日から、何週間かが過ぎた。

あれよあれよという間に、私達の事務所は神谷ホールディングスが所有するビルの中に移動になった。


見上げる程のガラス張りの超高層ビル。

綺麗な受付嬢が座る、ホテルみたいなエントランスホール。

ホールディングス傘下の企業が入っているこのビルは、近代的で尚且つ機能的だった。


私達の会社があるのは、40階建てビルの19階。

太陽の光が沢山入る、明るくて広い事務所。

まるでモデルルームの様に落ち着いた談話室。

デスクも何もかも真新しくて、無駄にお洒落。


ビル使用者共通のものとしては、最上階にある東京の景色が一望できる展望台。

そして、お洒落なカフェを思わせる、社食が2つ。

マッサージルームに、ジムや図書室まで完備。

テレビに何度も紹介された事のある、近代的でスタイリッシュで寛ぎのある空間。



――そこが私の新しい勤め先だった。


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