朝、目が覚めたらそばにいて
帰りは受付を簡単にパスし正面玄関からタクシーに乗る。
正太郎さんは「月島までお願いします」と運転手さんに告げそのまま目を閉じてしまった。
すると私のスマホの着信音が鳴った。
画面を見ると「登坂修一」と出ている。登坂くんだ。
車内で出るのは何となく気まづくてマナーモードに切り替えてもブーブーと鳴り続いたが、そのまま切れてしまった。
またすぐにバイブが鳴り始める。
今度は沙也加からだった。
「出れば?」
目を閉じていたはずの正太郎さんがこちらを見ながら面倒臭そうに言った。
さっきは登坂くんで、何となく正太郎さんの前で登坂くんと話すことがためらわれた。
沙也加ならと思い電話に出る。
「もしもし」
「もしもし?環奈、あんた、どこ連れて行かれてんの?」
「えっ?」
「タクシーで連れて行かれたでしょ?」
「あ、うん。何でわかったの?」
「あれから音信不通になるから登坂くんが心配しちゃって迎えに行こうって。着いたら環奈がタクシーに乗るところだったのよ。一緒にいたの誰?」
「あ、えっと、坂口正太郎さん」
そこまで言うと進行方向を見ていた正太郎さんがギロッとこちらを見る。
正太郎さんは「月島までお願いします」と運転手さんに告げそのまま目を閉じてしまった。
すると私のスマホの着信音が鳴った。
画面を見ると「登坂修一」と出ている。登坂くんだ。
車内で出るのは何となく気まづくてマナーモードに切り替えてもブーブーと鳴り続いたが、そのまま切れてしまった。
またすぐにバイブが鳴り始める。
今度は沙也加からだった。
「出れば?」
目を閉じていたはずの正太郎さんがこちらを見ながら面倒臭そうに言った。
さっきは登坂くんで、何となく正太郎さんの前で登坂くんと話すことがためらわれた。
沙也加ならと思い電話に出る。
「もしもし」
「もしもし?環奈、あんた、どこ連れて行かれてんの?」
「えっ?」
「タクシーで連れて行かれたでしょ?」
「あ、うん。何でわかったの?」
「あれから音信不通になるから登坂くんが心配しちゃって迎えに行こうって。着いたら環奈がタクシーに乗るところだったのよ。一緒にいたの誰?」
「あ、えっと、坂口正太郎さん」
そこまで言うと進行方向を見ていた正太郎さんがギロッとこちらを見る。