朝、目が覚めたらそばにいて
目覚めた時、彼はもう姿を消していた。
連絡先を置いて行ったのは大人としての礼儀なのかもしれない。
何かあった時は一応連絡してね、という。
やっぱり何かあったのかな…
行為に及んだ時の下腹部の鈍い痛みが少しある…気がする。
なんせ記憶が曖昧で確信が持てないのだ。
そこまで考えてまた落ち込む。
考えるのをやめたり、また考えたりという堂々巡り。
「はぁ…」
連絡先をもらってもこちらから連絡していいものか。
何をいうの?
だってこれって酒の勢い、大人の関係ってやつだよね?
だって私たち…会ったばかりで付き合ってもいないんだから。
家について真っ先に熱いシャワーを浴びた。
そのあとはまだだるい体を引きずって、ベッドに倒れこんだ。
まるで現実逃避するように。