朝、目が覚めたらそばにいて
現実の恋
翌朝、沙也加と出勤する。
昨夜思いを吐露して枯れるほど涙を流したからか、思いの外、落ち込んだ気持ちを引きずってはいない。
ただ、顔はひどい。
全体的に腫れぼったいのだ。


沙也加は目を覚まし、私を見てぎょっとした顔をしていたのにすぐにプッと吹き出していた。
失礼な反応だがホッとする。

吹き出した沙也加が見た自分の顔を鏡を見た時は顔面蒼白になる。
二日続けてひどい顔だった。


時間ギリギリまで冷たい水で洗顔し、保冷剤で目を冷やす
その間、沙也加が朝食を用意してくれた。
と言ってもシリアルに牛乳を注いだ簡単なもの。
それでも一緒にいてくれるだけでありがたかった。

少しは外出できる顔に整えて、マスクとメガネをかける。
普段はコンタクトなのに似合わないメガネにしたのは、泣すぎた目にコンタクトが入りづらいのと、病み上がりに見えるから。
実際、病み上がりのようにだるい。
昨夜、沙也加が寝息を立てた後も眠りは浅く、思い出しては涙がこぼしていたからだ。



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