朝、目が覚めたらそばにいて
まだ残っている課長や男性社員に挨拶をし、ロッカーへ向かう廊下に登坂くんがいた。
そういえば、一昨日からLINEをもらっていたのに自分のことで精一杯で何も返していなかった。
「お疲れ」
「登坂くん、ごめん、LINEの返事」
「ああ、」
「今、帰社したの?」
「いや、山下を待ってた」
「えっ?」
「この後、少し話せる?」
「どうしたの?改まって」
「話せる?」
少し強引な気もするが、何か相談事かもしれない。
まだ少し気分が晴れずまっすぐに帰宅したい気分だったが、もしかしたら沙也加のことかもしれないと思ったら行かないわけにはいかない。
「うん、いいよ。すぐ着替えるから駅前のカフェで待ってて」
「わかった」
ロッカールームに入り、スマホを見ると登坂くんからのLINEはない。
沙也加のことを相談するなら、言いづらかったから直接来たんだろうか。
登坂くんを待たせないように、急いで着替えをした。