朝、目が覚めたらそばにいて
「六月の第二日曜 如月千秋 新作発表会のお知らせ」
千秋先生の公式SNSから発表された新作発表会。
封印していたくせに、このお知らせで一気に気持ちが盛り上がる。
お昼休みにその告知を知って、食事中に詳細を調べる。
「沙也加、沙也加、千秋先生の新作発表会だって。これ、行きたい!行きたい!」
「読むのやめたんじゃないの?」
「やめてないよー!封印してただけ。でね」
「いやよ」
「えー!まだ言ってないのに」
「整理券を貰うのに朝から並ぶんでしょ?」
口ではつれないことを言っているけれど、沙也加はちゃんと詳細を調べてくれている。
久しぶりに興奮してる私を見て「ま、付き合ってあげてもいいけど」と結局私に付き合ってくれる約束をした。
「何してるの?」
いきなりLINEを打っている沙也加に聞くと「環奈が舞い上がってる時に一人で浮いてるのはいやだから登坂くんも並ばせる」
「ええ?悪いよ」
「整理券、何枚もあったら何回も握手できるじゃん」
「あ、そっか。えー、いいのぉ?沙也加達だって千秋先生を目の前にしたら握手したくなるかもよ」
「ならないと思う。あ、登坂くんOKだって」
「やった!三回握手できる」
「ふふふ、やっと環奈らしくなって来たね」
「えっ?」