朝、目が覚めたらそばにいて
「懲らしめてやる」
「え、あ、佐々木さん!」
正太郎さんが足早に部屋に入ってくると私と視線が絡む。
でもその視線を遮ったのは佐々木さんの背中で、正太郎さんの頭をぽかっと叩いた。
「イテ!なんだよ、塔子さんいきなり!」
正太郎さん、ごめんなさい。
バラしてしまいました。
修羅場を想像し始めた私は覚悟をして仲裁に入る。
「私が、悪いんです。酔って記憶を失って。その…」
「酔った女の子に手を出したってこと?」
佐々木さんはさらに正太郎さんに詰め寄る。火に油を注いでしまった。
「はっ?話が見えないんだけど」
「食事に行った日、手出してないって言ったじゃない。朝帰りして前日と同じ格好していたからちゃんと確認したら言ったでしょ!」
「手を出してないとは言ってない。出したけどやめたって言ったんだよ」
「すみません、私、知らなくて。恋人がいるのに軽率な行動をした私が…」
そこまで言うと「恋人?」二人の声が同時に聞こえた。
「正太郎さんと、佐々木さん」
「あっ?」
「えっ?」