朝、目が覚めたらそばにいて

「はー、そう言うことか」

「そう言うこと?」

「早とちり」

「塔子さんはね、戸籍上は姉さん。義理のね。兄貴の嫁さんだよ」

「えーーーーーーーーーーーー?!でも一緒の部屋で寝ていましたよね」


「電話の日?あれは会社の会議室で寝てたのよ。山下さんと会った後、一日中缶詰で新作の構成を練り直していたの。この時の正太郎くんはあなたと会ってキラキラしてたわよ」

「うるせー。塔子さん、今何時?」

「あ、もう四時だ」

「兄貴が飛鳥を面倒見てるんだろ?早く帰ったほうがいいぜ」

「うん、そうする。じゃ、今日はお疲れ様。山下さん、ありがとうね」

「あ、こちらこそありがとうございました」

塔子さんはドアから出て行く前にクルッと振り向いた。

「正太郎くん、頑張って!」

二カッと笑う塔子さんめがけてソファのクッションが投げつけられたが、ドアはその前にしまっていた。


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