初恋の人
「えっ?」
その時、手術を終えた夫が、処置室から出てきました。
「急変した患者は?」
「みんな、紳太郎先生のおかげで、一段落しました。」
先程の看護婦が答えました。
「急変した患者さんだけじゃないですよ。例の、怪我が軽症の患者さんまで次々と治療していって、大したものですよ。紳太郎先生は。」
夫は一瞬驚いた顔をしていましたが、近くで横になっている患者さん達を診て回って、その看護婦の言葉に納得したようでした。
こんなにも、たくさんの患者を一人で?
いくら軽症だと言っても、医者になって一年も経たない新人だと言うのに。
そう。
紳太郎さんの治療の速さと正確さに、元看護婦の私も驚いていました。
「ねえ、あなた。」
「分かってる。」
夫は、少しだけ私の方を見ました。
「あいつだって、まだ若いんだ。家にいない事ぐらいあるさ。」
どうか、紳太郎さんを叱らないであげて。
そんな私の気持ちを、夫は理解しているようでした。
その時、手術を終えた夫が、処置室から出てきました。
「急変した患者は?」
「みんな、紳太郎先生のおかげで、一段落しました。」
先程の看護婦が答えました。
「急変した患者さんだけじゃないですよ。例の、怪我が軽症の患者さんまで次々と治療していって、大したものですよ。紳太郎先生は。」
夫は一瞬驚いた顔をしていましたが、近くで横になっている患者さん達を診て回って、その看護婦の言葉に納得したようでした。
こんなにも、たくさんの患者を一人で?
いくら軽症だと言っても、医者になって一年も経たない新人だと言うのに。
そう。
紳太郎さんの治療の速さと正確さに、元看護婦の私も驚いていました。
「ねえ、あなた。」
「分かってる。」
夫は、少しだけ私の方を見ました。
「あいつだって、まだ若いんだ。家にいない事ぐらいあるさ。」
どうか、紳太郎さんを叱らないであげて。
そんな私の気持ちを、夫は理解しているようでした。