初恋の人
「義姉さんが綺麗に包帯を巻いていてくれたおかげで、治療がしやすくかった。さすがですね。」
私達は、お互い認めあっている。
そんな変な自信が、私の中に芽生えたんです。
「義姉さんの白衣姿、見たかったな。」
「私達、入れ替わりだったものね。」
私が看護婦として働き始めた頃、院長の息子さん達は、医学校に通っていると教えられました。
その後、倫太郎さんは医者としてこの病院に来ましたけれど、下の息子さんは家を出てしまったとも。
「僕達が一緒に働いていたら、義姉さんは僕と兄貴、どちらを選んでいたかな。」
「答えは同じ。倫太郎さんよ。」
私は、ためらわずに答えました。
そうしなければ、自分の気持ちを、悟られるような気がして。
そして紳太郎さんにお酌をしようと、手を伸ばした時でした。
急に紳太郎さんが、私の手を取ったんです。
私の瞳に映るように、近づいて来る紳太郎さんの手を、私は必死に払いのけました。
私達は、お互い認めあっている。
そんな変な自信が、私の中に芽生えたんです。
「義姉さんの白衣姿、見たかったな。」
「私達、入れ替わりだったものね。」
私が看護婦として働き始めた頃、院長の息子さん達は、医学校に通っていると教えられました。
その後、倫太郎さんは医者としてこの病院に来ましたけれど、下の息子さんは家を出てしまったとも。
「僕達が一緒に働いていたら、義姉さんは僕と兄貴、どちらを選んでいたかな。」
「答えは同じ。倫太郎さんよ。」
私は、ためらわずに答えました。
そうしなければ、自分の気持ちを、悟られるような気がして。
そして紳太郎さんにお酌をしようと、手を伸ばした時でした。
急に紳太郎さんが、私の手を取ったんです。
私の瞳に映るように、近づいて来る紳太郎さんの手を、私は必死に払いのけました。