初恋の人
そんなある日の事でした。
昼間にお客様が来て、その片づけをしようと、茶の間を覗いた時です。
ちょうど、紳太郎さんが机に肘を着いて、座っていました。
茶の間に入ろうか、迷いました。
でもそこまで意識をするのも、好きだと言っているようで、私は思い切って部屋の中に入ったんです。
紳太郎さんは、私に気づくと、肘を降ろしてしまいました。
「やあ、義姉さん。」
「お久しぶりね、紳太郎さん。」
「本当だ。」
「仕事は順調?同じ家に住んでいるのに、仕事が忙しいと、こうも会わないものなのね。」
会わないようにしていたのは、私の方なのに。
まるで紳太郎さんの仕事が忙しくて、すれ違っていたように振舞った私に、紳太郎さんも気づいているのでしょう。
机を指でトントンと鳴らしながら、私を見ていました。
「今日来たのは、義姉さんのお客さん?」
「いいえ、倫太郎さんよ。」
昼間にお客様が来て、その片づけをしようと、茶の間を覗いた時です。
ちょうど、紳太郎さんが机に肘を着いて、座っていました。
茶の間に入ろうか、迷いました。
でもそこまで意識をするのも、好きだと言っているようで、私は思い切って部屋の中に入ったんです。
紳太郎さんは、私に気づくと、肘を降ろしてしまいました。
「やあ、義姉さん。」
「お久しぶりね、紳太郎さん。」
「本当だ。」
「仕事は順調?同じ家に住んでいるのに、仕事が忙しいと、こうも会わないものなのね。」
会わないようにしていたのは、私の方なのに。
まるで紳太郎さんの仕事が忙しくて、すれ違っていたように振舞った私に、紳太郎さんも気づいているのでしょう。
机を指でトントンと鳴らしながら、私を見ていました。
「今日来たのは、義姉さんのお客さん?」
「いいえ、倫太郎さんよ。」