初恋の人
「義姉さんの着物がこんなはだけた姿で、僕が手を握っているところを、使用人に見られたら、どう思われるかな。」

私は一瞬で、顔が熱くなりました。

「どうも、思わないわよ。」

手を振り払い、私は脱衣所を出ようとしましたが、戸が開きませんでした。

何度、力を入れて戸を開けようとしても、開かないのです。

すると、後ろから紳太郎さんの笑い声が、聞こえてきました。


「義姉さん、お風呂場の鍵も、脱衣所の鍵も閉めないから。」

からかわれているのだと思いました。

もうその場にいたくなくなって、脱衣所の鍵を開けた瞬間、紳太郎さんにまた鍵を掛けられてしまいました。

「なっ!」

「しーっ!」

紳太郎さんの指が、私の唇にそっと触れました。

「そんな可愛いところを見せられたら、放したくなくなるよ。」

そう言って紳太郎さんは、私の着物の帯を、片手で外しました。

また着物の前がはだけて、裸の一部に、紳太郎さんの視線を感じました。

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