狂愛
(1)
DVDのレンタルを淡々とする。
8時。
もうそろそろか・・・。
と高鳴る心臓を抑え時間が来るのを待つ。
僕は、気にしないふりをしているつもりが、自然と店の入口を見てしまう。
すると、
長い茶色の髪をひらひらと揺らしながら、店に入ってくる彼女。
店の雰囲気がガラリと代わり
おしゃれなお店に感じる。
ぼんやりと彼女を見ていたら、
猫のような綺麗な目と目が合ってしまった。
僕は、はっと息を呑む。
目を逸らし、レジに来た客の接客をする。
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