ロマンスがありあまる
「総務課から秘書課に配属になりました、遠野楓子です。

今日からよろしくお願いします」

自己紹介を済ませると、拍手があがった。

それが終わると秘書室室長の原さんから業務内容の説明を受け、自分のデスクへと案内された。

「これが手帳です。

ここに予定が全部書いてあるから、これを見て行動してください」

「はい、ありがとうございます」

原さんから黒革の手帳を受け取ったら、それはとても重かった。

秘書室を後にすると、専務室へと足を向かわせた。

専務室の前に到着すると、私は深呼吸をした。

落ち着け、落ち着け…。

年下だけど、相手は上司だ…。

そう自分に言い聞かせると、コンコンと目の前のドアをたたいた。

「どうぞ」

中から声が聞こえたのを確認すると、
「失礼します」

私はドアを開けて、中に足を踏み入れた。
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