ロマンスがありあまる
「それに、僕には君と言う婚約者がいるんだ。

彼女との関係はもう終わったんだから、気にする必要なんてない」

「それ以前に婚約を誓った覚えもないんですけど」

そう言い返した私に、
「じゃあ、これを機に僕の婚約者になる?」

専務は言ってきた。

な、何でそうなるのよー!?

「しません、お断りします」

きっぱりと言い返した私に、
「遠慮しなくてもいいのに…」

専務はクスクスと笑った。

何が、“遠慮しなくてもいい”よ。

いろいろな意味で怖くて仕方がないわよ。

専務を敵に回したらいけないんだって言うことがよくわかりました。

そんなことを思いながら、私は彼に気づかれないように息を吐いたのだった。
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