ロマンスがありあまる
「要は、証明が欲しいと言うことか?」

そう聞いてきた専務に、
「えっ?」

私は訳がわからなくて聞き返した。

「証明って、何がですか?」

「君が言いたいのは、“僕に愛されている”と言う証明が欲しいと言いたいのだろう?」

「ち、違いますよ」

思わぬ勘違いをしている専務に、私は首を横に振って否定した。

「この場で何をバカなことを言っているんですか!?

専務、疲れているんですか?

だったら、早く終わらせて早く帰りましょうよ」

私がそう言ったら、
「うわっ…!?」

専務の肩とこちらに向かって歩いてきた人の肩がぶつかった。

それのせいでバランスを崩した専務の端正な顔が私に近づいてきた。
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