ロマンスがありあまる
第５章・専務と婚約をすることになりました。
――専務とキスをしてしまった…。

胸に重くのしかかっているその事実に、私はどうすればいいのかわからなかった。

１回目は事故でお互いの唇がぶつかって、２回目は車の中で証明のためにキスをされた。

「どうしよう…」

明日、専務と顔をあわせるのが怖い。

何か理由でもつけて会社を休もうか…って、我ながら大人気ないな。

でも、どうすればいいんだろう…。

専務の顔とあわせるたびに、キスをしてしまった今日の出来事が頭に浮かんできそうだ。

落ち着け、落ち着け…。

立場は向こうの方が上かも知れないけど、年齢で考えたら私の方が上だぞ。

よくよく考えてみたら、そう言うことじゃないか。

私の方が年上なんだから、逆に何でもないように振る舞えばいいじゃないか。

そうやって自分に言い聞かせることで、心を落ち着かせるのだった。
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