ロマンスがありあまる
そのせいで人からヒソヒソと言われたり、視線が集中したりしていたのか!

「すみません、専務室に行ってきてもよろしいですか?」

そう聞いた私に、
「ええ、いいですよ」

亀田さんは返事をした。

秘書室を後にして専務室に向かうと、専務はすでに出勤していた。

「おはよう、遠野さん」

のん気にあいさつをしてきた専務に腹が立った。

「専務、これはどう言うことなんですか!?

私と専務が婚約したって、何を言っているんですか!?」

今さっきの怒りをぶつけるように言った私に、
「そのままの意味だけど」

専務は特に動じることなく返事をした。

「私、あなたと婚約をするなんて一言も言ってないじゃないですか!」

何クソと言うように言い返した私に、
「でも、キスはしたじゃないか」

専務はまた特に動じることなく返事をした。
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