ロマンスがありあまる
こうして並んで見てみると、本当に2人は姉弟なんだなと思った。

三白眼の涼しげな目元とか顔立ちとか、本当によく似てる。

「正確に言うならばお盆明けから2週間ほど研修を受けてから、なんだけどね」

そう言った英恵さんに、
「その…京極さんって言う人、『タカツカサ』で働くんですか?」

私は聞いた。

「お父さんがそうしろって言ったんだ」

その質問に答えたのは専務だった。

「…そうなんですか?」

私が聞き返したら、
「会社のことを知ってもらいたいから、今勤めている会社を辞めて、こっちへきて欲しい…なんて、お父さんも本当にわがままよね」

英恵さんは苦笑いをしながら言った。

「まあ、それが結婚の条件だから仕方がないよね。

京極さんも納得したから、別にいいけど」

専務はやれやれと言うように息を吐いた。
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