ロマンスがありあまる
第9章・専務VS私のお父さん!?
パジャマ代わりにしているTシャツとユニクロで買ったリラコを脱ぎ捨てると、黄色のポロシャツとスキニージーンズを身につけた。

手で髪をとかすと、サイドでひとつに寄せてバナナクリップで留めた。

我ながらテキトーな格好だなと、自分でも思った。

だけど、
「専務がきてるって…」

問題はそこである。

服装や髪型はこの際どうでもいい。

それよりも、専務が家にきていると言うのが問題だ。

「私、別れるって言ったはずなのに…」

婚約破棄だってしたはずなのに、専務は何を思ったのか家を訪ねてきた。

紫子曰く、あいさつにきた…って言ってたけど、何の?

文句を言いにきたなら話はわかるけど、あいさつってどう言うことなんだ?

私は深呼吸をして自分の気持ちを落ち着かせると、階段を降りて1階へと足を向かわせた。
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