ロマンスがありあまる
「楓子に苦労をかけさせた分、君が娘を幸せにしてやって欲しい。

だから…」

父は専務を見つめると、
「楓子をお願いします」
と、頭を下げたのだった。

「お父さん…!」

父が頭を下げたところを見たのは初めてで、私はどうすればいいのかわからなかった。

そんな父に向かって、
「はい」

専務は返事をした。

「楓子さんとは2歳年下ですが、必ず彼女を幸せにすると誓います」

そう宣言をした専務に、
「頼んだぞ」

父は答えたのだった。

えっと…これは、解決をしたと言うことなのか?

何だか呆気なかったようなそうでもなかったような…。

そんな気持ちに包まれていたら、
「すみません、お手洗いに行ってもよろしいでしょうか?」

専務が腰をあげた。
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